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2021年12月28日

草原との共生を目指して
モンゴルにおける牧草地の脆弱性評価
国立環境研究所「環境儀」第83号の刊行について

(筑波研究学園都市記者会、環境記者会、環境省記者クラブ同時配付)

2021年12月28日(火)
国立研究開発法人国立環境研究所
編集分科会委員長     :江守 正多
  〃  事務局(環境情報部情報企画室)
       室長    :下前 雅義
       担当    :白井 大智
 

   国立環境研究所は、研究成果等をわかりやすく伝える研究情報誌「環境儀」の最新号
「草原との共生を目指して モンゴルにおける牧草地の脆弱性評価」を刊行します。
   国土の70%以上を草原が占めるモンゴルでは、乾燥・半乾燥地域に住む人々は草原の分布に合わせて居住地を移動しながら、その恵みを支えに暮らしています。しかし、都市や鉱山の開発が進み、土地の利用方法が変化することで草原を持続的に利用できない地域が出てきています。
   さらに、モンゴルの草原はその下に広がる永久凍土によって維持されていますが、年平均気温が75年間で約2.8℃上昇しており、温暖化の影響で永久凍土の面積や深さが減少している傾向にあることがわかりました。一部の地帯を除き、将来的にその面積は現在の1/5程度に縮小することが予想されるなど、草原の砂漠化が問題になっています。
   本号では、モンゴルの伝統的な放牧形態の紹介を通して、草原の生態系や水資源の重要性を解説するとともに、都市化や鉱山開発による過度な地下水汲み上げが周辺域の水循環に及ぼす影響や、モンゴル全土の地形や気候、市町村別の人口、産業、家畜頭数のデータから構築した4つの地域における牧養力や脆弱性などの経年変化を紹介します。

水を渇望する家畜および地下水調査の様子を撮影した写真

1 本号の内容

 国立環境研究所では、温暖化影響早期観測ネットワークを構築して、温暖化による永久凍土の融解や環境資源への影響を解析し、さらにモンゴルの草原域を対象にしたCO2吸収量の監視・評価を行い人為的攪乱が水資源や牧草地に与える影響や脆弱性を明らかにしました。
 本号では、これら一連の研究から得られた成果の一部を抜粋して紹介するほか、草原生態系の回復力強化のために実施している適応策の研究について紹介します。

○Interview研究者に聞く
「モンゴルの草原と人々の生活を守るために」

 モンゴルで起きている過放牧の実態や都市化・鉱山開発など、人為的攪乱による草原への影響と、永久凍土の融解が草原生態系にもたらす影響を、研究者らがわかりやすく解説します。
 また、遊牧民の「適地適種」の考え方をその歴史や慣習を交えて紹介するほか、自然とヒトの関係性を見出す指標を用いた、牧草地への放牧圧を定量化する方法について紹介します。

<研究担当者>
王 勤学(おう きんがく)
 地域環境保全領域 主席研究員
中山 忠暢(なかやま ただのぶ)
 地域環境保全領域(環境管理技術研究室)主幹研究員
岡寺 智大(おかでら ともひろ)
 地域環境保全領域(環境管理技術研究室)主任研究員

○Summary
「気候変動および人為的攪乱による草原生態系への影響評価」

 Summaryでは、調査・研究で明らかになった永久凍土の融解スピードや変動幅を詳しく解説するとともに、気温上昇や降水量の減少による干ばつが永久凍土の融解を加速させる可能性があることを、永久凍土分布のシナリオ予測図を用いて解説します。さらに、モンゴルの4つの対象地域における牧養力・放牧圧・脆弱性の経年変化をグラフを用いて解説します。

○研究をめぐって
「草原生態系の回復力強化および適応性向上に関する研究」

 乾燥地社会・生態系システムの回復力強化と持続可能な開発に向けた世界的なワーキンググループの動向や草原生態系の崩壊と再生に関する国内の動向を紹介します。また、国立環境研究所が開発してきた草原域の牧養力および脆弱性の評価モデルを活用した、スマートな放牧に適した技術システムの構築について紹介します。

2 環境儀83号紹介動画

国立環境研究所YouTubeチャンネルで、環境儀83号の紹介動画を公開しています。
URL:https://youtu.be/idby7Diuluw【外部サイトに接続します】

3 国立環境研究所動画チャンネル

URL:https://www.youtube.com/user/nieschannel【外部サイトに接続します】

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