新刊紹介
環境儀 No.84
「ユスリカからのメッセージ 顕微鏡下で識別する環境情報」
国立環境研究所では、1970年代からユスリカの分類学的研究や環境指標性の研究を行っており、様々な水域で生息場所の特性や発生消長などの生態学的な知見が報告されているほか、新種記載などもされています。
本号では、困難といわれることが多いユスリカの同定方法や、いくつかの水域にみられるユスリカの種構成の違いなどについて紹介します。
○https://www.nies.go.jp/kanko/kankyogi/84/02-03.html
国立環境研究所研究プロジェクト報告 第139号
「水資源量に基づく乾燥・半乾燥牧草地の利用可能量とその脆弱性の評価
(平成30~令和2年度)」
本報告書は、代表的な乾燥・半乾燥地域のモンゴルを対象に気候変動や人為的攪乱が水資源や牧草地の環境容量および脆弱性に及ぼす影響を評価した研究について取りまとめたものです。本研究の結果、放牧規模の拡大、特に都市化や鉱山開発に伴う水資源の需要量の大幅な増大ならびに過度な地下水汲み上げが、都市や鉱山周辺域の水循環に大きな影響を及ぼしていることを明らかにしました。また市場経済が導入されてから、特に2000年以降、周辺域の放牧圧が牧草地の環境容量を大幅に上回っており、牧草地の脆弱性が一層高まっていることが明らかになりました。
○https://www.nies.go.jp/kanko/tokubetu/setsumei/sr-139-2021b.html
国立環境研究所研究プロジェクト報告 第140号 「二次有機エアロゾル中の低揮発性成分の生成過程に関する研究 (平成30~令和2年度)」
本報告書は、モノテルペンの酸化による二次有機エアロゾル(SOA)生成過程を事例研究として、低揮発性成分の生成過程を詳細に理解して、SOA生成モデルの精緻化を目指す研究手法について取りまとめられたものです。本研究によって、低揮発性成分のSOA生成収率の環境要因(気温や酸性度)依存性との関係性、エアロゾル表面での反応による低揮発性成分の生成について室内実験で明らかにし、その室内実験結果を実大気試料で確認することに成功しました。
○https://www.nies.go.jp/kanko/tokubetu/setsumei/sr-140-2021b.html
目次
- 生態リスクに対する水際での攻防
- 野生生物感染症の生態リスク研究
- 外来社会性昆虫の化学的防除
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感染症による野生動物の大量死リスク
の評価に向けて - 外来種の影響評価
- 野生動物検疫施設の業務紹介
- カナリア諸島の旅
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第7回NIES国際フォーラム開催報告
「持続可能なアジアと地球社会に向けて」 -
令和4年度の地方公共団体環境研究機関等と
国立環境研究所との共同研究課題について -
「第41回地方環境研究所と国立環境研究所との
協力に関する検討会」報告 - 「第37回全国環境研究所交流シンポジウム」開催報告
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「3Dふくしま」プロジェクションマッピングで環境研究を「触れる化」したい!
国環研初クラウドファンディング挑戦のお知らせ - 編集後記