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2023年3月28日

大気中温室効果ガス計測の新展開
測定技術の進歩と観測研究の発展
国立環境研究所『環境儀』第87号の刊行について

(筑波研究学園都市記者会、環境省記者クラブ、環境記者会同時配付)

2023年3月28日(火)
国立研究開発法人国立環境研究所
 

 国立環境研究所は、研究成果等をわかりやすく伝える研究情報誌『環境儀』の最新号
「大気中温室効果ガス計測の新展開 測定技術の進歩と観測研究の発展」を刊行します。
 近年、二酸化炭素に代表される温室効果ガス(Greenhouse Gas: GHG)の観測研究において、一つの大きな転機が訪れています。2000年代はじめ頃から、気体分子の吸光特性を利用した計測手法である「赤外レーザー吸収分光法(infrared laser absorption spectroscopy: IRLAS)」が飛躍的に発展し、装置の精度や安定性などの分析性能に加え、可搬性が向上したことで、いまや屋外の現場でも容易に使えるようになりました。
 IRLASの発展は、GHGの観測手法にも新たな多様性をもたらしているほか、これまでに捉えられなかったGHGの詳細な分布や変動が観測できるようになりました。
 本号では、GHGの測定技術の進歩に伴う観測研究の発展に加え、国立環境研究所が実施してきた観測研究から明らかになった、GHGの詳細な変動を紹介します。

赤外レーザー吸収分光計の内部の様子の写真
赤外レーザー吸収分光計の内部の様子

1 本号の内容

 大気中の二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスの増加が、地球温暖化を引き起こしています。国立環境研究所ではさまざまな方法で観測を続けていますが、近年の地上現場観測では、「赤外レーザー吸収分光法」による観測が普及し、主流になりつつあります。
本号では、赤外レーザー吸収分光法による観測やその技術の進歩に加え、国立環境研究所における活動やこれら一連の研究から得られた成果の一部を抜粋して紹介します。

Interview 研究者に聞く「レーザー分光計で見えてきた温室効果ガスの実態」

 近年、GHGの観測手法として主流になりつつある、「赤外レーザー吸収分光法」による観測やその技術の進歩について解説するとともに、観測により見えてきた温室効果ガスの実態について研究者が詳しく紹介します。

<担当研究者>
奈良 英樹(なら ひでき)
地球システム領域 地球大気化学研究室 主任研究員

Summary 「広域を航行する船舶で温室効果ガス(GHG)の分布を連続的に観測する」

 国立環境研究所は、外航貨物船を利用して、北米、オセアニア及び東南アジアの3つの航路において、長期に渡って大気微量成分の観測を行ってきました。
 「Summary」では、船舶を用いた広域大気観測の手法を解説しながら、観測から得られた研究成果を交え、船舶のような移動体における観測の有効性に加え、GHGの詳細な変動について解説します。

研究をめぐって 「温室効果ガス観測研究の動向」

 「研究をめぐって」では、世界における観測技術の進化の動向に加え、日本国内における観測状況と国立環境研究所が実施している大気観測状況について紹介します。

2. 発表者

本報道発表の発表者は以下のとおりです。
国立研究開発法人国立環境研究所
編集分科会委員長 江守 正多
 〃  事務局(企画部広報室)
 室長      小針 真紀子
 担当      白井 大智

3. 問合せ先

【閲覧・入手に関する問合せ】
本号掲載 URL:https://www.nies.go.jp/kanko/kankyogi/index.htmll
既刊掲載 URL:https://www.nies.go.jp/kanko/kankyogi/backnumber.html
国立研究開発法人国立環境研究所
企画部広報室広報発信係

【報道に関する問合せ】
国立研究開発法人国立環境研究所 企画部広報室
kouhou0(末尾に”@nies.go.jp”をつけてください)

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