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受賞者氏名 : 鈴木剛、染矢雅之、滝上英孝
受賞年月日 : 2012年7月28日
賞の名称 : 京都大学環境衛生工学研究会優秀プロジェクト賞 【京都大学環境衛生工学研究会】
受賞対象
: 発表内容の社会的貢献等
受賞者からひとこと :

京都大学環境衛生工学研究会のシンポジウムで発表した研究「野生高等動物組織抽出物の抗アンドロゲン活性に対する毒性定量評価」(主著者三崎健太郎現京都大学研究機関研究員)が社会的貢献について優れた内容をもつと評価されて、愛媛大学沿岸環境科学研究センター等の研究者との共同受賞となったものです。製品や廃棄物からの化学物質の環境排出があり、それを受容する環境生態系での実影響が定量的にどのようであり、影響に寄与する物質は一体何かというところまで一貫して見るというアプローチを進めております。脂肪や臓器組織といった生体に蓄積している残留性有機汚染物質を抽出して、細胞を用いた核内受容体レポーター遺伝子アッセイで評価を行うと抗アンドロゲン活性が卓越する傾向がみられ、この活性が内分泌撹乱作用の本態ではないかというデータが得られ始めています。今後も研究所内外との連携を保ちつつ、媒体横断的な環境汚染の評価とそのコントロールについて考察を進めたいと思っています。


受賞者氏名 : 藤谷雄二、古山昭子、平野靖史郎、高見昭憲
受賞年月日 : 2012年8月29日
賞の名称 : ベストポスター賞 【日本エアロゾル学会】
受賞対象
: 細胞曝露装置内における粒子沈着率の評価 (第29回エアロゾル科学・技術研究討論会予稿集, 49-50, 2012)
受賞者からひとこと :

第29回エアロゾル科学・技術研究討論会における若手ポスターセッションの中から、優れた発表に授与される「ベストポスター賞」を頂きました。培養細胞を用いた粒子状物質(PM)の毒性スクリーニング手法の一つに、気液境界においてPMを細胞に曝露させて毒性評価を行うことができる気液界面細胞曝露手法があります。この手法ではヒトの肺の中と同様の現象により細胞に対するPMの沈着が可能となり、現実的な曝露ができるという利点があります。一方で、その沈着効率が定量的に明らかになっていないため、実際の用量反応関係が得られないという問題がありました。そこで気液界面曝露装置内の流体・粒子軌跡のシミュレーションと実測の両面から、粒径別PMの沈着効率を明らかにしました。共同発表者である菅谷裕氏、橋口真宜氏(計測エンジニアリングシステム(株))、および関係者の皆様に深く感謝します。この受賞を励みに、エアロゾル工学と毒性学の学際的な分野で活躍できるよう、精進していきたいと思います。


受賞者氏名 : 小林拓朗、徐開欽
受賞年月日 : 2012年9月3日
賞の名称 : 環境技術学会論文賞 【環境技術学会】
受賞対象
: 生ごみ嫌気発酵によるメタンおよび水素生成ポテンシャル-食品標準成分に基づく分類と特性評価- (J.Environ.Conserv.Eng., 40(3), 31-38, 2011)
受賞者からひとこと :

当該論文は、環境省「地球温暖化対策技術開発事業」「カーボンフリーBDFのためのグリーンメタノール製造及び副産物の高度利用に関する技術開発」の一環としてまとめたものであり、改めてご協力いただきました関係者に深く感謝申し上げます。今回の論文は、京都市の分別回収生ごみを実験材料として、家庭系および事業系生ごみの細品目ごとに栄養成分と嫌気発酵による水素およびメタンガス生成ポテンシャルをそれぞれ測定し、成分組成と水素・メタン生成ポテンシャルとの関係を体系的にまとめました。近年、水素とメタンの混合ガスであるハイタンが燃料として実用化され、生ごみからの水素とメタンの同時生成がバイオハイタン生成プロセスとして新たに位置づけられ、注目されるようになってきました。従来、バイオハイタン生成に関して様々な原料を用いた事例研究がほとんどであった中で、栄養成分に基づいて適切な原料選択の方向性を示せたことが有意義であったと考えています。今回の受賞を励みにして、微力ながら本研究分野の発展に尽力していきたいと考えております。


受賞者氏名 : 小林拓朗、徐開欽
受賞年月日 : 2012年9月10日
賞の名称 : 平成23年年間優秀論文賞 (メタウォーター賞) 【日本水環境学会】
受賞対象
: 循環式水素・メタン二段発酵プロセスにおける消化液返送方法が水素発酵に及ぼす影響 (J.Jpn.Soc.Water Environ., 34(11), 161-171, 2011)
受賞者からひとこと :

この度の受賞論文は、新規開発した生ごみを原料とするバイオハイタン生成のための循環式水素・メタン二段発酵プロセスが有する技術特性の解明を目的として、ミニ試験プラントで実施した連続実験内容をまとめたものです。従来、嫌気性水素生成プロセスは複合微生物系の代謝パターンの長期安定維持が最重要な課題であり、本循環プロセスは二段発酵後の消化液の返送によるpHと微生物相の安定化によって、2年ほどにおよぶ安定した連続水素生産を達成しました。本論文では、さらに消化液返送が水素生成プロセスにおよぼす影響として、生物利用可能な形態の窒素源の供給による水素生成微生物活性の促進と、高活性な消化液を返送することで生成水素の消費が促進され回収率が減少するリスクを新たに明らかにしました。今後も実用的資源循環技術を目指して、技術アイデア提案を行っていきたいと考えています。


受賞者氏名 : 高橋克行、伏見暁洋、森野悠、長谷川就一、田邊潔、小林伸治
受賞年月日 : 2012年9月13日
賞の名称 : 大気環境学会誌平成23年論文賞 (学術部門) 【大気環境学会】
受賞対象
: 北関東における微小粒子状物質のレセプターモデルと放射性炭素同位体比を組み合わせた発生源寄与率推定(J.Jpn.Soc.Atmos.Environ., 46(3), 156-163, 2011)
受賞者からひとこと :

本論文では北関東で夏季に捕集された大気中の微小粒子状物質の成分データにケミカルマスバランス法(統計的手法の一種)を適用して微小粒子の発生源推定を行い、さらに放射性炭素(14C)同位体比の測定結果に基づき炭素成分の起源を一次生成および二次生成の化石燃料起源と生物起源とに分離しました。そして、大気中の元素状炭素の大半はディーゼル自動車排出ガス由来(化石燃料起源)であるが、有機炭素のほとんどは二次生成であること、二次有機炭素は日中には化石燃料起源と生物起源の比が約1:2であるが、夜間には化石燃料起源の割合が低下してこの比が約1:10になることなどを初めて明らかにしました。詳細は当該論文(高橋克行、伏見暁洋、森野悠、飯島明宏、米持真一、速水洋、長谷川就一、田邊潔、小林伸治:2011)をご参照下さい。この研究は、多くの研究機関との共同での集中観測と組成分析に基づくケミカルマスバランス解析と、国立環境研究所における微量14C測定技術を活かした測定結果を組み合わせた新しい発想により生まれた成果です。今後も所内外の方々との連携を大事にして環境改善に貢献する研究を行っていきたいと考えています。


受賞者氏名 : 高見昭憲
受賞年月日 : 2012年9月13日
賞の名称 : 論文賞 (学生・若手部門) 【大気環境学会】
受賞対象
: 東アジアから輸送される汚染大気中の炭素質エアロゾルの変動と発生源推定 (J.Jpn.Soc.Atmos.Environ., 46(1), 1-9,2011)
受賞者からひとこと :

論文題目「東アジアから輸送される汚染大気中の炭素質エアロゾルの変動と発生源推定」において、公益社団法人大気環境学会より論文賞をいただきました。本論文は、観測と解析の例を報告した論文でありこのような評価を受けたことを大変うれしく思います。今後も大気環境研究の発展に貢献するため研究を進めて参ります。


受賞者氏名 : 江守正多
受賞年月日 : 2012年10月4日
賞の名称 : 日本気象学会2012年度堀内賞 【日本気象学会】
受賞対象
: 地球温暖化問題に関する科学者と社会のコミュニケーションについての科学技術論の展開とその実践に関する研究
受賞者からひとこと :

2006年ごろまでを中心に、地球温暖化の将来予測の研究に取り組んできましたが、その後は予測研究そのものよりも、むしろそのような予測情報と社会との関係に強い関心を持つようになりました。予測情報が社会において本当に役立つためには、予測の不確実性について社会に理解してもらうことが必要だというのが一つの問題意識でした。一方で、地球温暖化問題をめぐって根強く存在する「懐疑論」に対応するため、予測が政治的で恣意的なものではないことを社会に理解してもらうことがもう一つの大きな課題でした。このような課題に向き合ううちに、自分の関心が「科学技術社会論」という分野で議論されている問題に近いことがわかり、その分野と交流を持つようになりました。この度、この一連の自己流な試行錯誤の様子を、日本気象学会が気象学と科学技術社会論の境界領域における研究活動と認めてくださり、堀内賞を頂くことになりました。今回の受賞を励みに、今後もこのような問題に精一杯取り組んでいきたいと思います。


受賞者氏名 : 伊藤昭彦
受賞年月日 : 2012年10月4日
賞の名称 : 日本気象学会2012年度堀内賞 【日本気象学会】
受賞対象
: 陸域生態系モデルを用いた気候と生態系の相互作用に関する研究
受賞者からひとこと :

この賞は気象学の境界領域や隣接分野での研究による貢献に対して与えられるものです。私の場合、専門は生態学ですが、陸域生態系モデルを用いた大気-陸域間の温室効果ガスや微量ガスの交換に関する研究を続けてきたことを評価していただいたのだと思います。全球スケールのCO2、CH4、N2Oフラックスの推定は現状把握だけで無く温暖化の予測と対策を実施する上で不可欠ですので、各種観測グループとの協力の下、モデルの高度化を進めてきました。最近では、生態系サービス評価に向けた詳細マッピングにもモデルの応用分野を広げつつあります。今後も生物圏の基礎的理解を深めることに加え、実社会の環境問題解決に貢献できるようなモデル研究を発展させていきたいと希望しています。

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