ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

受賞者氏名 : 高見昭憲
受賞年月日 : 2012年6月30日
賞の名称 : 環境賞 (公益財団法人 日立環境財団)
受賞対象
: 東アジア地域の大気汚染物質の航空機観測
受賞者からひとこと :

 この度、日立環境財団と日本工業新聞社が共催する平成24年度第39回「環境賞」を、畠山先生、村野先生、坂東先生、(故)王先生とともに授与されました。

 東アジア地域の急速な経済発展に伴い、大気汚染物質もまた急速に増大し、その影響は非常に大きなものとなっています。1990年代初めより航空機観測を行うことにより、東アジア域における対流圏下部での大気質の空間および鉛直分布を解明しました。本研究は、東アジアの地域規模大気環境を長期間観測してその変動を明らかにした点、初めて国際共同研究として中国国内での大気汚染物質の航空機観測を行った点、飛行機上でエアロゾルのフィルター捕集を行って化学成分の分析を行った点などがきわめて独創的であり、これらの観測に基づいて、発生源の影響を科学的に確認し、越境大気汚染の原因解明と対策立案において国際的協力が必要であることを明確にしました。今後も環境問題に関する研究を進めて参りたいと思います。


受賞者氏名 : 川本克也
受賞年月日 : 2012年7月5日
賞の名称 : 功績賞 (一般社団法人 日本機械学会)
受賞対象
: 活動業績 「環境工学の発展への貢献」
受賞者からひとこと :

 本功績賞は、一般社団法人日本機械学会内設置の研究部門の一つである環境工学部門の活動業績に対して与えられたものです。私は、同部門内に設けられた4つのサブ組織のうち廃棄物と資源の循環等をテーマとする技術委員会で長く活動し、2006年度に部門長を務めました。自然環境の解析分野と並び、環境の保全及び改善も重要であることは理解いただけると思いますが、それは技術に基づく機械設備(プラント)に負うところが非常に大きいのは言うまでもないでしょう。単に汚染物質の除去だけでなく、熱・エネルギーの視点、大気、水、固形廃棄物まで幅広く対象領域を定めること、音や振動への取り組み等々環境工学の扱う範囲は広く重要であり、私は今後も一つの軸足を環境工学分野に据えて環境問題に取り組んでいく所存です。


受賞者氏名 : 滝上英孝、鈴木 剛
受賞年月日 : 2012年7月12日
賞の名称 : 第19回環境化学論文賞 (一般社団法人 日本環境化学会)
受賞対象
: 中国・北京及び日本・金沢の大気が示すAhR活性化作用へのPAH類及びダイオキシン類の寄与 (環境化学, 21(1), 27-33, 2011)
受賞者からひとこと :

 本論文は、主著者の戸次加奈江さん(現カリフォルニア大デービス校ポスドク)がNIESに院生として滞在し、共同研究を進めていた際の成果をまとめたものであり、我々も実験と論文執筆に関与しました。大気粉塵の有するダイオキシン様活性に占めるPAH類及びダイオキシン類の寄与についてバイオアッセイと化学分析の統合評価で解析したものですが、実際のフィールドで10日間に及び試料を継続採取し、2都市間での傾向を見いだしています。このようなバイオアッセイと化学分析を組み合わせて毒性物質を同定し、その削減を評価するアプローチは我々の研究室のフィールド研究の基本的な手段としているものです。戸次さんの指導教授であった早川和一先生(金沢大学・院・自然科学研究科)と研究室のスタッフの先生方とともに共同受賞させていただきました。共同研究の成果が本賞に結実できたことを大変光栄に思っております。


受賞者氏名 : 橋本俊次
受賞年月日 : 2012年7月12日
賞の名称 : 環境化学学術賞 (一般社団法人 日本環境化学会)
受賞対象
: 活動業績 「ダイオキシン等有機塩素化合物分析の高度GC/MS分析法の普及における貢献」
受賞者からひとこと :

 この賞は、筆者がこれまで行ってきたダイオキシン類をはじめとする有機塩素化合物の分析法の開発や高度化、分析値の精度管理を含めた普及活動を評価して頂いたものと思います。大量の試料処理に加え試料精製の徹底やブランク管理の徹底により、四重極型分析計によるダイオキシン類が測定可能であることの実証、試料抽出と精製工程のミニチュア化による卵胞液、臍帯血中ダイオキシン類の超高感度分析の達成、ダイオキシン類およびPCBの全異性体の精密分析法の確立と発生源データの収集と共通化そしてそれを利用した発生源推定法(ケミカルマスバランス法)の改良、中揮発性有機化合物のモニタリングに適した毛糸を用いたパッシブサンプリング法の開発、多次元ガスクロマトグラフと高分解能飛行時間型質量分析法を組み合わせた高感度・高分離・高精度の定量法と網羅分析法の開発などがその内容ですが、今後も次世代の分析法開発などを通して、有害な化学物質の監視や対策に寄与し、安全で安心な社会作りのために貢献していきたいと思います。

関連新着情報

表示する記事はありません

関連研究報告書

表示する記事はありません