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日本自然災害学会 学術奨励賞

  • 受賞者:
    多島 良
  • 受賞対象:
    災害廃棄物処理に求められる自治体機能に関する研究—東日本大震災における業務の体系化を通じて—,自然災害科学 ,33 (特別号), 153-163,2014
  • 受賞者からひとこと:
     一度に大量に発生する災害廃棄物を、迅速かつ効率的に適正処理するためには、ヒト・モノ・カネ・情報を適切に調達、配置して業務を管理するマネジメントの考え方が欠かせません。このためには、災害廃棄物の撤去、分別、移送、中間処理、最終処分という処理フローとともに、その実現に求められる支援業務、または自治体として求められる機能の全体像を把握すること求められます。本研究では、個別業務のレベルからボトムアップ的に災害廃棄物処理に必要な機能を体系化し、災害廃棄物処理におけるマネジメントに活用できる基本的な知見を得ることができました。ご多用の中、度重なるヒアリング調査にご協力いただいた東日本大震災の被災自治体の行政職員各位のおかげで、本研究を取りまとめることができました。全国で進められている災害廃棄物処理計画の策定に、本研究の成果が少しでも参考になることを願うともに、今後とも災害廃棄物処理の現場で役に立つような研究を実践して参りたいと存じます。

日本陸水学会 吉村賞

  • 受賞者:
    松崎 慎一郎
  • 受賞対象:
    人間活動が陸水域の生物多様性・生態系に 及ぼす影響の解明と環境行政への貢献
  • 受賞者からひとこと:
     これまで進めてきました陸水域における生物多様性・生態系保全に関する研究業績に対して、日本陸水学会より吉村賞をいただきました。わが国だけでなく世界中の湖沼や河川などの陸水域は、様々な人間活動の影響を強く受け、生物多様性の減少と生態系の劣化が進んでいます。複数の手法(例:遺伝子分析と安定同位体分析、野外実験とメタ解析)を統合して、人間活動が陸水域に及ぼす影響を明らかにしたことを評価していただきました。同時に、全国湖沼の生物多様性・生態系サービスの評価、福島原発事故後の放射性物質のモニタリング、福井県三方湖の自然再生に向けた総合的環境研究などを通じて環境行政に貢献した点も評価していただきました。これまでの一連の研究は、共同研究者をはじめ多くの方々の協力と支援の賜物であり、それらの方々に心から感謝いたします。今後も、陸水域の生物多様性・生態系保全に向け精一杯努力していく所存です。

三井物産環境基金10周年記念 研究助成成果表彰 優秀賞

  • 受賞者:
    南齋 規介
  • 受賞対象:
    「国際サプライチェーンを含む生産消費システムを対象とした環境負荷分析の理論と実践」(研究課題R07-194)
  • 受賞者からひとこと:
     三井物産環境基金が設立10周年を迎えたことを記念し,これまでに助成した研究課題に対して,社会への貢献の観点から顕著な業績を上げた研究を対象として表彰を実施しました。5つの課題が選定され,研究代表者を務めた「国際サプライチェーンを含む生産消費システムを対象とした環境負荷分析の理論と実践」がその1つに選ばれました。日本が国際サプライチェーン通じて世界に誘引する環境負荷や資源消費を定量化するモデルや解析手法の開発を行いました。三井物産環境基金は柔軟性の高い競争的研究資金であり,研究を計画時以上に発展させていく推進力となったと感じます。社会への貢献という視点から本研究課題が表彰されたことは国立環境研究所の研究者として非常に嬉しく,これを励みにしてより一層研究に精進していきたいと思います。

公益社団法人 日本気象学会 2015年度正野賞

  • 受賞者:
    吉田 幸生
  • 受賞対象:
    温室効果観測技術衛星(GOSAT)のデータ品質の向上に関する研究
  • 受賞者からひとこと:
     温室効果ガス観測技術衛星「いぶき(GOSAT)」は、2009年1月23日に打ち上げられた世界初の温室効果ガス観測専用の衛星です。二酸化炭素(CO2)やメタン(CH4)といった温室効果ガスが特定の波長の光を吸収するという性質を利用し、太陽光の地表面散乱光の観測スペクトルからCO2, CH4のカラム量(地表から大気上端までの気柱に含まれる対象気体分子の総数)を導出するアルゴリズムの開発・改良に関する研究を、プロジェクトメンバー・国内外の研究者と協力して進めて参りました。最新のアルゴリズム(V02)による導出結果は、不確かさが1%以下となっており、様々な応用研究へ利用されつつあります。今後より一層の品質改善を目指すとともに、2017年度打上げ予定のGOSAT-2の準備を進めて参ります。 対象となった研究の一部は、環境省の環境研究総合推進費(2A-1102)により実施されました。アルゴリズム改良検討にあたり、GOSAT研究用計算設備を利用しました。

日本水処理生物学会 第18回日本水処理生物学会論文賞

  • 受賞者:
    徐 開欽
  • 受賞対象:
    有毒藍藻類産生毒Microcystinのコマツナ、キャベツ、クウシンサイ土壌栽培における生育影響および吸収・蓄積特性評価,Japanese Journal of Water Treatment Biology ,50 (1), 15-22,2014
  • 受賞者からひとこと:
     この度の受賞論文は、有毒藍藻類が産生Microcystin を含む水を農業灌漑に用いた場合のリスクを明確にするため、コマツナ、キャベツ、クウシンサイに対する出芽、生育の影響と蓄積特性についての調査と実験研究を行ったものであり、それぞれ大きな阻害や有意なリスクを導く蓄積がなかったことを示しています。この結果から、食によるヒト健康へのリスクという観点からは灌漑が安全であることを明らかにしており、環境水の農業利用上有用な知見が得られました。なお、本研究の成果は、(公財)国際科学振興財団との共同研究で行われたものの一部です。ここに、ご指導いただきました先生方・関係者の皆様に心から深く感謝するとともに、今回の受賞を励みに、今後も一層の精進を重ねて、流域圏の水環境保全再生に少しでも役に立つよう頑張っていきたいと思っています。

第21回ヒ素シンポジウム奨励賞

  • 受賞者:
    宇田川 理
  • 受賞対象:
    マウス卵子の質とPMLに着目した亜ヒ酸の雌生殖毒性解析,第21回ヒ素シンポジウム, 同予稿集 , 34-35,2015
  • 受賞者からひとこと:
     私たちは現在多くの国民が水に困る事は少なくなりましたが、世界には数多く生活水に困る国々が存在しています。ヒ素は自然界において地殻に豊富に含まれる元素であり、長い年月を経て池や湖、そして地下水に流出します。そのためバングラデシュをはじめ、飲料水を得るために井戸水を利用している国々では深刻なヒ素汚染が報告されています。種々のガン罹患率の上昇にとどまらず死産や胎児の堕胎率の上昇といった問題まで事態は拡張してきているとの報告が見られます。一方で亜ヒ酸が卵子及び胚の細胞内において毒性を発現する詳細な分子機構は依然として明らかになっていません。この度は亜ヒ酸と結合するタンパク質の性質や卵子の成熟に伴う細胞内での挙動の解析を評価していただいたと考えています。この機会を励みに、例えばリスクを低減しうる分子標的の探索など新たな視点を提案できるような実験を考案したいと考えています。

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