2017年4月28日
表彰
日本環境変異原学会学会賞
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受賞者:青木康展
国立環境研究所 環境リスク・健康研究センター -
受賞対象:
環境変異原によって誘導された生体内突然変異の解析とそのリスク評価 -
受賞者からひとこと:
水や大気などの環境中には、少量とはいえ多種多様な変異原物質(遺伝子上に突然変異を誘発する性質をもつ化学物質)が存在しています。環境から変異原物質が体内に取り込まれた時、本当に遺伝子の突然変異を誘発するのか、あるいは、どのような突然変異をどの程度の頻度で誘発するのかを明らかにしてきた研究が、今回の表彰の対象となりました。この研究を進めるために、まず、変異原物質を検出するための遺伝子導入ゼブラフィッシュ(Tg-zf)を開発しました。このTg-zfの胚や成魚の飼育水に添加することで、典型的な変異原物質であるニトロソアミンばかりでなく、水環境中に実際に存在する多環芳香族炭化水素などによる突然変異の検出を可能にしました。さらに、gpt deltaマウスなどの遺伝子導入動物を用いて、大気浮遊粒子成分が肺内で誘導する突然変異の誘発頻度と性質を解析し、発がんリスク評価の基盤となる知見を得ることが出来ました。また、変異原物質に対する感受性を決定する要因を解明する研究も進めました。受賞対象の研究は、自由闊達な国立環境研究所の雰囲気があったからこそ実現できたものです。この雰囲気を若手研究者が継承することを期待しています。
目次
- 「統合」がもたらす新たな科学研究にむけて
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統合研究プログラムがめざすもの
国立環境研究所でこれまでに取り組んできた持続可能性研究とこれから - 地球規模の環境問題解決の「シナリオ」を描く
- 環境に関係する国際規格
- 社会の活動を”見える化”する〜エネルギーモニタリング事業と社会実装研究
- 持続可能なアジアの未来に向けて 第2回NIES国際フォーラム開催報告
- 「第36回地方環境研究所と国立環境研究所との協力に関する検討会」報告
- 平成28年度の地方公共団体環境研究機関等と国立環境研究所との共同研究課題について
- 「第32回全国環境研究所交流シンポジウム」報告
- 新刊紹介
- 国立研究開発法人国立環境研究所 公開シンポジウム2017『私たちの安心・安全な環境づくりとは-持続可能性とその課題-』開催のお知らせ
- 人事異動
- 編集後記
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