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公益社団法人環境科学会 最優秀発表賞(富士電機賞)

  • 受賞者:石河 正寛 (社会環境システム研究センター)
  • 受賞対象:
    統計データを用いた空き家の詳細地域分布の推計手法、公益社団法人環境科学会2017年会、講演要旨集、63, 2017
  • 受賞者からひとこと:
     環境科学会2017年会のポスドクおよび博士課程のポスター発表の中から最優秀発表賞(富士電機賞)に選ばれました。持続可能な都市を形成する上で、地区や街区といった都市内の詳細な地域別に空き家状況等の課題を把握することが重要となっています。詳細な地域ごとの空き家の状況を把握するには、従来、住宅・土地統計調査の個票データを利用するか、独自に現地調査を行う方法が用いられてきました。しかし、従来の手法では、特定の地区や街区の状況しか把握することができず、都市内すべての街区等の状況を網羅的かつ継続的に把握するには高コストであるという課題がありました。そこで本研究は、住宅地図から抽出された建物ポイントデータと国勢調査の人口・世帯数データに基づいて、町丁・字等別や基本単位区別の空き家分布状況を網羅的かつ継続的に把握する手法を提案しました。本研究の手法を用いることで、潜在的な空き家(一時的な利用または管理はなされているものの日常的には使用されていない住宅)までを含めた空き家状況をリーズナブルに把握することが可能になります。今後は本手法で推計した空き家データを用いて、現況で空き家が多い地区や街区の要因分析を行うとともに、将来的に空き家化が進むと懸念される地域への対策や手当てを議論する材料として活用していきたいと考えています。

日本自然災害学会 学術発表優秀賞

  • 受賞者:多島 良(資源循環・廃棄物研究センター)
  • 受賞対象:
    災害時における環境リスクに対する市民の認識:フォーカス・グループ・インタビューより、第36回日本自然災害学会年次学術講演会、同予稿集、89-90, 2017
  • 受賞者からひとこと:
     災害廃棄物に伴う悪臭・粉塵・騒音や、有害物質の拡散による大気・水質・土壌の汚染など、災害時にも様々な環境リスクが存在します。その適切な管理方法を確立することに向け、こうした「災害環境リスク」に対する市民の認知について研究しています。本発表では、東日本大震災の被災者を招いたフォーカス・グループ・インタビューを実施することを通して、災害環境リスクに対する市民の関心の時間変化を分析しました。その結果、リスク源が取り除かれない場合であっても、時間が経過するに伴って発生する生活全般に対する安心感や諦めの感情によって、災害環境リスクへの関心が低減することがあることが示されました。今回の受賞を励みに、リスク研究と連携しつつ、災害環境リスクの適切な管理のあり方について今後も研究を進めてまいります。

IMPACTS WORLD 2017 BEST POSTER AWARD

  • 受賞者:高倉 潤也(社会環境システム研究センター)
  • 受賞対象:
    Adaptation difficulties in keeping labor capacity under the climate change, Impacts World 2017, - , 2017
  • 受賞者からひとこと:
     地球温暖化によって屋外の労働者はより強い暑熱ストレスに曝されることが予想されており、何らかの対策が求められています。日中の強い暑熱ストレスを回避する一つの方法として、労働する時間帯をシフトする(朝早い時間帯から働き始める)ことが考えられます。そこで、将来、地球温暖化が進んだ場合に、(1)具体的にどの程度時間帯をシフトすることが必要であるか、(2)労働時間をシフトさせることによりどの程度経済的な影響を回避することができるか、について定量的な評価を行ったことが評価され、受賞につながりました。地球温暖化を回避するための対策(緩和策)については多くの研究がなされていますが、本研究のように地球温暖化が起きてしまった場合にその影響を最小限に抑えるための対策(適応策)についての研究はまだ不十分です。今後も引き続き研究に取り組んでいきます。

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