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2016年6月30日

地球温暖化影響予測の前提条件(社会経済・排出・気候シナリオ)

コラム3

 気候変動の自然・社会システムへの影響は、温室効果ガス濃度の変化に伴う気候・地球システムの変化だけでなく、人口・技術・経済などの社会・経済関連の諸条件の変化にも左右されます。シナリオはそれら諸条件の将来経路を示すものであり、気候変動による影響を見積もるための前提条件・入力条件として、開発・利用されます。シナリオ開発・利用の主目的は、将来を一点に絞り正確に言い当てることではなく、不確実な将来の諸条件の下で、検討中の政策や対策がどのくらい効果的か、効率的か、あるいは頑健であるかということをよりよく理解することです。人口・技術・経済といった条件が異なれば、政策や対策の効果や効率は異なります。したがって、複数の条件下で、政策の効果や効率を評価し、比較することで、その政策が不確実な将来に対して頑健であるかを理解することができます。これが、シナリオ開発・活用の主目的です。

 2007年以降、整合性のある社会経済シナリオならびに気候シナリオを前提とした影響評価の実現を支援・促進すべく、国際的なコーディネーションの下、新たな全球・地域・分野シナリオの開発(新シナリオフレームワーク)が進められています。以下では、その主構成要素となるSSP、RCP、CMIP5について概要を説明します。

SSP

 共通社会経済経路(Shared Socio-EconomicPathways)は、人口、ガバナンス、公平性、社会経済開発、技術、環境などの諸条件を示す定量・定性的な要素からなり、緩和・適応政策分析の前提条件として利用できます。各SSP の差異は、緩和の困難度と適応の困難度の大きさにより特徴づけられています。

RCP

 代表的濃度経路(Representative ConcentrationPathways)は、気候予測実験の入力情報としての利用を目的に開発されました。各RCP シナリオは、土地利用変化と大気汚染物質排出量の面的データと、2100年までの温室効果ガスの濃度と人為起源排出量で構成されます。非常に低い放射強制力水準につながる緩和型シナリオ(RCP2.6)、2つの安定化シナリオ(RCP4.5・RCP6.0)、非常に高い温室効果ガス排出量となる無対策シナリオ(RCP8.5)の計4つのシナリオが含まれます。

CMIP5

 第5期気候モデル相互比較計画(CoupledModel Intercomparison Project Phase 5)では、気候モデルコミュニティがRCP を活用した共通想定での気候予測実験を調整・実施して、その実験出力の収集・整備・配信を行いました。

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