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2017年2月2日

「地球温暖化研究プログラム」
国立環境研究所研究プロジェクト報告の刊行について
(お知らせ)

(筑波研究学園都市記者会、環境省記者クラブ同時配付)

平成29年2月2日(木)
国立研究開発法人国立環境研究所
 編集分科会委員長:三枝 信子
 編集分科会事務局
   (環境情報部情報企画室)
     室長:阿部 裕明
     担当:川尻 麻美

 国立環境研究所では、「国立環境研究所研究プロジェクト報告」として、「地球温暖化研究プログラム(重点研究プログラム)平成23~27年度」を刊行します。
 本報告書は、温室効果ガス等の濃度変動特性の解明とその将来予測、地球温暖化に関わる地球規模リスク、低炭素社会に向けたビジョン・シナリオ構築と対策評価に関する包括的な研究を執り行った成果についてまとめたものです。特に、大気環境・温室効果ガスの観測・解析に基づく全球及び東アジア域での物質循環・炭素循環の実態とその変動機構の解明、最先端の気候モデルに基づく気候変動の実態の解明と将来予測の精緻化の促進、統合評価モデルの活用による世界規模での温室効果ガス排出抑制策(緩和策)や気候変動に対する影響、適応策の総合的評価などの成果が得られました。

1 「地球温暖化研究プログラム(重点研究プログラム)平成23~27年度」の概要

 2015年末に「パリ協定」が採択され、わが国でも2016年5月に「地球温暖化対策計画」が閣議決定されるなど、世界は地球温暖化問題に対処するために大きく動いてきています。「低炭素」もしくは「脱炭素」の社会に向けて歩みを進めていくためには、科学研究が今後果たすべき役割はさらに大きいと考えねばなりません。

 このような背景を踏まえ、本研究は、温室効果ガス等の濃度変動特性の解明とその将来予測に関する研究、地球温暖化に関わる地球規模リスクに関する研究、低炭素社会に向けたビジョン・シナリオ構築と対策評価に関する統合研究の3つに取り組みました。

 その結果、温室効果ガスの研究では、全球及び東アジア域を中心とした大気環境・温室効果ガスの観測・解析に基づき、これらの地域での物質循環・炭素循環の実態とその変動機構を解明するための情報を得ました。また、将来の気候変動影響下での温室効果ガス濃度予測精度の精緻化を図り、将来の気候変動の予測精度の向上につながる成果を得ました。地球規模リスクに関する研究では、気候変動の実態の解明と将来予測の精緻化を進めました。さらに気候変動に対する地球規模の影響リスクの評価を行うことにより、気候変動政策の立案に資する科学的知見を提供しました。ビジョン・シナリオに関する研究では、世界規模での温室効果ガス排出抑制策(緩和策)や気候変動に対する影響、適応策を総合的に評価しました。また、国際交渉の実情をも考慮した実現可能な政策オプションを提示することにより、気候変動に対する国際的な緩和・適応策の推進に関する科学的知見を提供しました。

 本研究成果が、地球温暖化研究の進展への貢献となることを期待します。

●本報告書の研究プログラム総括

  笹野 泰弘(ささの やすひろ)〔平成23~24年度〕
   国立環境研究所 地球環境研究センター センター長

  江守 正多(えもり せいた)〔平成25~27年度〕
    国立環境研究所 地球環境研究センター 気候変動リスク評価研究室長

2 本報告書の閲覧及び問い合わせ先

●「国立環境研究所研究プロジェクト報告」は、研究所ホームページで閲覧できます。
   http://www.nies.go.jp/kanko/tokubetu/index.html

●本報告書についてのお問い合わせ先:国立環境研究所 環境情報部情報企画室出版普及係
  (TEL: 029-850-2343  E-mail: pub@nies.go.jp)

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